画力を上げたい
切実にそう思っている人は多いですよね。
爆発的に……というのは少し大げさですが、今までにさまざまな絵の参考書を買ってみた中で個人的に役に立った・よかったおすすめの本を紹介していきたいと思います。よろしければ参考にしてみてください。
もくじ
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とりあえず絵が上達したいならこれ。分野別オススメ本19選
まずは、とりあえず画力を上げるためには必読といってもいいほどの参考書を紹介していきます。
難易度が高いものもあるので、中にはとっつきづらい本もあるかもしれませんが、必ず絵についての基礎を学ぶことができるものを厳選しているので、ここでオススメした本は手元に置いておいて損はないでしょう。
では、さっそく紹介していきたいと思います。
人物デッサン・解剖学を学ぶ
やさしい人物画
絵を描く者なら、ぜったいに読んでおいたほうがいい本です。
どう良いのかというと、
人間の身体をどう描いたらいいのかということを、100%論理的に説明してくれます。
(ここまで論理的に説明してくれる参考書は他にありません)
なので、人間の身体をまったく描けない人でも、この本を模写しつつ勉強すれば、
手っ取り早く人体の構造を掴むことができるので、回り道をすることなく素早く上達することができますし、
反対に、子どもの頃から想像で絵を描き続けてきた人には、きちんとした人体デッサンを学ぶきっかけになるでしょう。
私もこの本を読んで、自分の絵のデッサンが大きく狂っていたことに気付きました。
絵描きの間ではかなり有名な本で、
数々のプロアニメーターさん、絵描きさんが必ず持っているという話を耳にしますし、美大の図書館にはほぼ必ず置いてあります。
初心者に勧めるのは難易度が少し高いですが、
あなたがもしきちんと人間の身体について学びたいなら、絶対に必要にな参考書であることには間違いないでしょう。
人物デッサンの基本
さきほど紹介した「やさしい人物画」が中級者向けなら、
こちらは初心者向けのデッサン本です。
とはいえ、アマゾンのレビューの良さを見てもわかるように、
人物デッサン本の中ではかなり良く出来ていて、私も買ってから10年くらい捨てられずにいます。
身体を曲げたら中の骨はどう動くのか、それをどう描けばいいのか。
肉体の下にある骨のカタチや出っ張りまで細かく説明してくれています。
感覚的に学べる部分も多いのですが、人体を描く上で大事なポイントをきちんとおさえられている良書です。
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線画の勉強になる!アニメーターおすすめ本
最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術
アニメーター室井康雄さんによるキャラ作画本です。
タイトルの通り、主にキャラクターの動きを中心に書かれています。
アニメーターさんの本ということで、やはり美術書では学べないようなことがたくさんあり、
アニメーター志望の方でなくとも、
- 線画が苦手
- キャラクターの動き
を学びたい方にはオススメです。
吉成曜ラクガキ編
こちらはエヴァなどでお馴染みな有名アニメーターさんの本です。(一番おすすめかもしれません。)
先ほどの室井さんの本は絵を学びたい方向けにつくられた参考書ですが、こちらは画集になっています。
ただし、普通の画集ではありません。
アマゾンで本の中身の写真を見ることができますが、その写真の通り、吉成曜さんが鉛筆で書かれた落書きをそのまま本にしたラクカギ画集なんです。
絵を描いている人ならわかると思いますが、完成された絵よりも落書きの絵を見る方が刺激を受けますし勉強になります。
「本当に落書きなの?」ってレベルです。すごすぎて、「勉強になる」と言うのさえおこがましいかもしれません。。
ある程度、絵を描いている方にはめちゃくちゃ勉強になる画集です。
(とくにキャラクターのフォルム・線画を勉強したいというときにはおすすめです。)
絵に躍動感をつけたい時におすすめな本
次は、
- 絵に動きをつけたい
- 躍動感をつけたい
という時に学べるオススメ本を紹介します。
ロン・ハズバンドが教えるクイックスケッチ 瞬間を描き止める
この本は、著者のロン・ハズバンド氏が実際に街中などで出会った人物をスケッチした絵が
ひとまとめになっている本です。
ロン・ハズバンド氏はディズニーのアニメーターで、
- リトル・マーメイド
- アラジン
- ライオン・キング
- 美女と野獣
など、過去に数々のディズニー作品に携わった経験がある方です。
少しでも絵を見る力のある人なら、いかにこの本に描かれているスケッチが上手いか、一瞬でわかることでしょう。
私自身、この本を始めてひらいたときに、
かなり少ない線で、対象(人物)の動きをとらえられていることにびっくりしました。
この本ではスケッチをする中で、
- どうやってモチーフをとらえれば躍動感のある絵が描けるのか
- こまかなポーズのとらえ方
を学ぶことができます。
ただし、デメリットもあります。
それは、手取り足取り教えてくれるような本ではないことです。
「あまりスケッチに慣れていない人」や、「初心者として1からスケッチを学びたい人」は、
たてなか流クイックスケッチがオススメです。
▽たてなか流クイックスケッチ
今までにスケッチやドローイングをしたことない人もいるかもしれませんが、
長時間集中したり、細かな部分まで描く必要がないので、
絵に対する集中力があまりない方・初心者にもおすすめな絵の練習法です。
ちなみに、スケッチやドローイングをする際には、普通の紙よりクロッキー帳を使用すると描きやすいです。(私も使っています)
▽クロッキー帳
もっとこだわる方は、スケッチ・デッサン用の鉛筆を使用するとより描きやすくなります。
リズムとフォース 躍動感のあるドローイングの描き方
この本も人体や動物の身体を、リズムや躍動感でとらえる本です。
いわゆる、止まっているのに動いてみえる絵を描くのに参考になるので、
他の本でデッサンの勉強もしつつ、この「リズムとフォース」を補足的に学ぶことをオススメします。
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手や顔の描き方を学ぶ
やさしい顔と手の描き方
最初にオススメした「やさしい人物画」と同じ著者の本ですが、
こちらは手と顔に絞って書かれています。
「やさしい人物画」でも顔についての説明は書かれていますが、こちらではより詳しく学ぶことができます。
ある程度絵が描ける人の中で
- 顔を描くのが苦手
- いろんな角度で顔を描きたい
という方には、こちらの本で、
頭の形の造形を一から学び直すことをオススメします。
中身の7割くらいが顔についての説明なので、主に顔が描けない人へオススメしたい本です。
もちろん前回同様、やさしくはありません。笑
ポーズ集
新ポーズカタログ
ポーズ集にはそれほど良い・悪いというのはありませんが、
たまにハズレもあります。
まずはこの新ポーズカタログシリーズを買えば間違いないでしょう。
カラーとモノクロのそれぞれが入っていますし、
ポーズも基本的なので初心者でも模写がしやすいのが特徴です。
「写真が小さくて見づらい」というデメリットはありますが、
- 男性の身体のアウトラインを知る
- 基本的なポーズをおさえる
ためにも今のところ手元に置いて損はないと思っている本です。
▽新ポーズカタログの女性バージョンです。
パースの勉強本
パース! マンガでわかる遠近法
少し古い本ですが、パースについてのことをマンガで解説されている本です。
実践的というよりは、キャラクターとともにパースについて楽しく学び興味を持つことができるといった部類の本で、
下で紹介する「パース塾」や「スケッチパース」が小学校でいう漢字ドリルや算数ドリルなら、
こちらは「マンガで学ぼう系」の学習本といったところでしょうか。
(なので、Amazonの評価も分かれているんだと思いますが、個人的には良書だと思っています)
- パースに苦手意識のある人
- パースに興味はないが、仕方なく勉強しなくてはいけない人
は、最初から下手にドリルをこなすよりも、
まずはこの「パース!」を読んだ方がとっつきやすくて面白いです。
パース塾
パースを基礎から応用まで学ぶことができる本です。実践的に使えるタイプなので、
すぐに絵の中に使うことができると思います。3冊あるのですが、1は必要ないかもしれません。
スケッチパース
こちらは建築家や建築デザイナー関係のパース本ですが、
実際に描き込むことができるのでわかりやすいです。より算数ドリルに近いパース本でしょう。
発売からかなり経過していますが、今でも人気のある本です。
動物の描き方を学ぶ
動物画の描き方
動物を描きたいなら、まずは必読といっても間違いなしの本です。
鹿、ブタ、猫、ライオンなど
あらゆる動物のいろんな動きが描かれています。
どちらかといえば、感覚的に学ぶことができるので初心者でも学びやすいと思います。
動物によってページが多い少ないがあるのが唯一のデメリットかもしれませんね。
動物の描き方
「動物画の描き方」と同じく動物の描き方について書かれています。骨格から造形・動きまで全て網羅しているため、とても勉強にになる本です。
「動物画の描き方」で物足りなかった方はこちらをオススメします。
さらなる高みを目指したい方へ。役立つ参考書
ハイパーアングルポーズ集シリーズ
こちらはかなり有名なポーズ集で、
ほかのポーズ集では絶対に載っていないような角度から人体を撮影されています。
やはりアングルが独特すぎて描くのがかなり難しいので、初心者には難しいのですが、
ある程度描ける人には参考になる本です。
▽2もあります
アニメーション作画法-デッサン・空間パースの基本と実技
アニメーター湖川さんによる作画勉強本です。読者向けて作られた本というよりは、
悪い作画の手直しをまとめた本です。
デッサン本を読んで、独学で絵を描いているだけでは絶対に気付くことのできない箇所も、かなり指摘されています。
「一見、ちゃんとして見える絵も、プロの目はごまかせない(デッサンの狂いがある)」ということを思い知らされるといいますか。そんな刺激的な本です。
デメリットとしては、絵柄が古いという点ですね。(すみません。。)
レベルが高い(指摘が細かすぎて)ので最初はわかりづらいのですが、きちんと文章で説明されているので、それを読むだけでも勉強になります。
- 「自分の絵のデッサンの狂いをできるだけなくしたい」という意欲のある人
- アニメーター志望の人
は、一読をおすすめします。
とはいえ、「値段が高くて、買うのを迷う」という方も多いかと思います。その場合、県や市の図書館に置いてあったりしますよ。
私は、古いほう(緑の表紙のほう)を持っているんですが、新版は図書館で見かけました。ありがたや。
▽新版
スカルプターのための美術解剖学
こちらはトップクラスの参考書です。タイトルに「美術参考書」とは書かれていますが、美術参考書のレベルをゆうに越えているレベルで、人体に特化し続けた良書です。
値段は5000円。他の美術本と比べると高く感じますが、いざ購入してみると値段相応かむしろ安いくらいです。たとえ1万円こえても買う人が後を絶たないレベルだと思います。
視覚的にわかりやすく書かれているため、中身が難しいというわけではありません。
眺めているだけでも楽しいです。
絵描きはぶっちぎりでこの本をオススメしている方が多いですが、
個人的には「ちょっと待て」と言いたいです。
たしかに、「人体が大好き」「人体の細かい部分まで描きたい」という方にはこの本はとても役立ちますが、そこまで貪欲に描くつもりのない人にとってはあまりに詳しすぎて勿体ないくらいのものなので、この枠でご紹介させていただきました。
おわりに
以上が、画力を上げるためのオススメ参考書でした。
今はネットでも絵に関する情報が溢れているので、独学で学ぶ人も多いかと思います。
しかし、やはり1から絵を学ぶならデッサン本を模写する方が早いですし、
内容も素晴らしいものばかりなので、こういった参考書を何冊か購入して学ぶことをオススメします。
たとえ購入してみても、実力によっては合わないと感じるものもあるかと思いますが、
それはまたの機会にとっておいて、自分がその実力になったときに使うのもアリだと思います。